【本のひろば】 2022年2月号

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昨年八月、タリバンがアフガニスタンを制圧したというニュースを聞き他人事ではない重苦しさを感じたのは、自分が女性で、娘を持ち、自由がなければ成り立たない出版の仕事をしているからかもしれない。
彼らはなぜ宗教を理由に過激な行動をするのだろうかと、飯山陽『イスラム教再考』(二〇二一年)を読んでみた。そこでコーランの「ジハードせよ」という命令は精神化して解釈されるものではなく、文字通り、不信仰者(異教徒)に対する戦争の義務だと知って愕然とした。
本書のかなりショッキングな内容を読んで、一つの問いを与えられた。よくユダヤ教、キリスト教、イスラム教はどれも一神教で、兄弟の宗教だという言い方がされるけれども、この三兄弟は実は随分異なる顔をしているのではないか。何しろキリスト教には「イエス・キリスト」(イエスは救い主)という決定的な名前が刻まれている。
コーランが啓示としてジハードを命ずるなら、私たちの耳にはそれを乗り越えるように、「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」という主の御言葉が聞こえてくる。この宗教的にも複雑な世界で、キリストの掟を与えられている─それは思っていたよりずっと驚くべきこと、誇るべきことではないだろうか。
とはいえ、誰も手放しで、キリスト教の優越性を誇るようなことはできないだろう。ただ、敵対するすべての罪びとのため、命をささげて愛を完成した主キリストがおられるということ─その貴い福音を、私たちは今日も、こんなに弱くて壊れやすい、土の器に授かっている。 (石澤)

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