『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2022年11月号
出会い・本・人
教会なき人のための聖書ー塚本虎二と標準読者(赤江達也)
特集
ウクライナの歴史と宗教を学ぶための▼この三冊! (高橋沙奈美)
本・批評と紹介
- 『エイレナイオスの聖霊神学』大庭貴宣 著 (大貫隆)
- 『最も偉大な祈り』J・D・クロッサン著/小磯英津子訳/河野克也解説 (石田学)
- 『詩人は聖書をどのように表現したか』柴崎聰 著 (時澤博)
- 『レプラと奇跡』堀忠 著 (大嶋得雄)
- 『開かれている門』クニィ・ベルガー著/三野孝一訳 (石原知弘)
- 『精選死海文書』村岡崇光 著 (山我哲雄)
- 『BC級戦犯にされたキリスト者』小塩海平 著 (豊川慎)
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編集室から
二〇二二年が明けて間もない頃、毎年、キリスト教出版販売協会で作るクリスマスカタログ制作が、一か月前倒しになると聞かされた。新商品の掲載は例年でもギリギリのスケジュールなのに間に合うのだろうか。不安を覚えつつも取り敢えず急ぎ取り掛かる。
同じ頃、すでに物価高騰を予想するニュースが流れていたが馬耳東風で、取引業者から「早く進めた方がいいですよ」と言われるまで自身の仕事とは結びつかなかった。
その後、段取り調整の甲斐あってなんとかカタログ用の見本制作にまでたどり着けた。納品はクリスマスまで余裕があるのでホっと一安心していると業者から、「原材料がまた値上がりします。今月中に仕上げることをお薦めします」との連絡が入った。
何事も天の采配なのか、カタログの前倒し制作に感謝する一方で、今度は商品の価格設定に青ざめる。
仕事をするようになって、価格の決断がとても繊細であることを知った。最初の頃はとにかく安く、しかし、安かろう悪かろうではダメだと教えられた。一円差をせめぎあっても無理をし過ぎず、お釣り計算にも配慮できると良い。
以前、ミリオンセラーを記録したミュージシャンがコメントで「100万人の人が自身の音楽に千円を出してもいいと思ってくれた。それがうれしい。」と言っていたことを思い出した。販売総数に捉われ見過ごしがちな視点に、苦難を乗り越える力があるような気がした。(吉崎)
予 告
本のひろば 2022年12月号
(巻頭エッセイ)「皆川達夫著『洋楽渡来考』とその後」樋口隆一、(書評)潮 義男著『創世記講解下 創世記23章〜50章』、土井健司著『教父学入門』、スヴェトラーナ山崎ひとみ著『微笑みは永遠に』、C・G・シュウェンツェル著『ヘロデ大王』他