『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2023年2月号
出会い・本・人
ウクライナとロシアと共に祈る(高橋沙奈美)
特集
グノーシスを学ぶなら▼この三冊! (土井健司)
本・批評と紹介
- 『キリスト教教義学 下』近藤勝彦 著 (井ノ川勝)
- 『悲劇を越えて』R・ニーバー 著/髙橋義文、柳田洋夫 訳 (安酸敏眞)
- 『キリスト教教父著作集 5』アレクサンドリアのクレメンス 著/秋山 学 訳 (小高 毅)
- 『世代から世代へ』チャールズ・フォスター 著/伊藤 悟 訳 (岡村直樹)
- 『いのちの言葉を交わすとき』飯島 信 編著 (小暮修也)
- 『聖霊の上昇気流』岩本遠億 著 (藤本 満)
- 『少女の命・女性の命、嵐の中から新たな命』 吉岡容子 著(深澤 奨)
- 『アガペーとフィリア』原口尚彰 著 (辻 学)
- 『反ナチ抵抗運動とモルトケ伯』雨宮栄一 著 (小海 基)
- 『聖化の再発見 上・旧約 下・新約』英国ナザレン神学校 著/大頭眞一と焚き火を囲む仲間たち 訳 (原田彰久)(再掲載)
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編集室から
読者のみなさま、あけましておめでとうございます。……こんなことを書いている筆者は現在師走のど真ん中だ。僧侶がお経をあげるために東西を馳せる月というのが師走の語源らしいが、出版業を営む筆者たちにも師走の忙しさがある。年末の駆け込み入稿、教会ではクリスマス準備……。何が言いたいかと言うと、つまりゆっくり本を読む時間がない、ということだ。
最近友人が自分の習慣を教えてくれた。金曜日になるとろうそくを灯して、ドリンク片手に好きな本を読むのだそうだ。本人いわく日常を区切る儀式のようなものだと。みなさまからすれば、「なにもそんなカッコつけなくても」と思うところだろう。しかし、毎日パソコンの前に座り、通勤中もスマホ、家でも通知を気にして……そんな生活をしていると、その読書時間が「特別な体験」になるそうだ。
SNSでこんな教員の投稿を目にした。「家でSNSやユーチューブを見て一日が終わっていくことに、『本当にこれでいいのか』と思っているけど、かと言って何をしたらいいのかわからない、という学生の話をよく聞く」。もしかするとデジタルコンテンツには、生きている感覚、つまり「体験」としての価値を人間はあまり見出せないのではないか。筆者も、デジタルコンテンツを見ていると「時間を無駄にした」という感覚がどこかにあるが、読書ではたしかにそんな感覚がない。読書というものが現実から少しずつ遠のいているような現代だからこそ、「特別な体験」としての読書というのも拡げていけたら。例えば、週末の礼拝堂で出入り自由の読書会なんていかがだろうか?(桑島)
予 告
本のひろば 2023年3月号
(巻頭エッセイ)津田謙治、(書評)日本キリスト教団出版局編『八木重吉 家族を詩う』、青野太潮著『どう読むか、聖書の「難解な箇所」』、高橋秀典著『心が傷つきやすい人への福音』、ジャン・カルヴァン著『共観福音書 下』、袴田康裕著『ウェストミンスター信仰告白講解 上巻』、山口勝政著『みことばの楽しみ』他