『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2021年1月号
- 出会い・本・人 絵本『こいぬのうんち』と権正生 きどのりこ
- 特集 キリスト教における死を考えるにはこの三冊! 江口再起
- 本・批評と紹介
- 朴 憲郁 著 『現代キリスト教教育学研究』 (吉岡良昌)
- M・デ・リッダー 著/島田宗洋、W・R・アーデ 訳 『わたしたちはどんな医療が欲しいのか?』 (鹿島友義)
- 宮本久雄、石井智恵美 編 『押田成人著作選集2』 (石原明子)
- マックス・ルケード 著/日本聖書協会 訳 『ひと時の黙想 主と歩む365日』 (大田裕作)
- M・S・M・スコット 著/加納和寛 訳 『苦しみと悪を神学する』 (芳賀 力)
- 川上直哉 訳著 『P・T・フォーサイス 聖なる父』 (小嶋 崇)
- 日本新約学会 編 『イエスから初期キリスト教へ』 (石橋誠一)
- 住谷 眞 著 『神曲つれづれ』 (春日いづみ)
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編集室から
本誌巻頭エッセイ「出会い・本・人」では、人と本との出会い、人と人との出会いが、いかに人生の転機をもたらしたかが語られています。2020年5月号では、田中健三氏(上智大学神学部講師)が、本との出会い、人との出会いを「宝探し」に例えています。その通り、4月号には、浦上充氏(日本基督教団東中野教会牧師)が、『祈りのともしび』平野克己編、日本キリスト教団出版局刊、との出会い、10月号には吉川直美氏(シオンの群教会牧師)が「疲れ果てた末にたどり着いた一冊の聖書」について言及しています。二人とも、宝物としての本に出会われたのです。しかし、いきなり出会ったのではありません。出会うまでの道のりと、紆余曲折について語っておられます。
また11月号には、北村裕樹氏(日本基督教団武蔵野扶桑教会牧師)が、「いつか来る二回目のために」と題して、断捨離できない本について軽妙洒脱な語り口で記述しています。私も十年前に読んだ時には理解不能だった本を、十年後に読み返すと、すんなり腑に落ちる経験をしました。おそらくその間の人生経験によって、受け入れる素地が出来上がっていたのでしょう。断捨離できない蔵書を見つめながら、「いつか来る二回目」の読書による出会いを楽しみにしています。(寺田)
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