『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2021年7月号
- 出会い・本・人 讃美歌集を編む 中山信児
- 特集 「天使をめぐる物語」ならこの三冊! 井辻朱美
- 本・批評と紹介
- 浅野淳博他 著 『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』 (前川裕)
- 大野惠正 著 『神の言葉と契約』 (関根清三)
- 佐々木栄悦 著 『神の恵みの水路』 (佐藤司郎)
- G・フォン・ラート 著/荒井章三 訳 『ナチ時代に旧約聖書を読む』 (小友聡)
- 袴田康裕 著 『改革教会の伝統と将来』 (藤掛順一)
- 中道基夫 編 『ペンテコステからの旅路』 (山本裕司)
- 江藤直純 著 『ルターの心を生きる』 (江口再起)
- 柳沼時影 著 『ヘボン先生との対話』 (具志堅聖)
- 山口衣子 著 『私のハットフィールド』 (小野タキ子)
- ジョン・ディア 著/志村 真訳 『山上の説教を生きる』 (谷本仰)
- 山下壮起・二木 信 編 『ヒップホップ・アナムネーシス』 (金迅野)
- 神山美奈子 著 『女たちの日韓キリスト教史』 (李相勲)
- 川村信三 編/キリスト教史学会 監修 『キリシタン歴史探求の現在と未来』 (根占献一)
- 佐々木悠 著 『言葉を歌う』 (高橋正道)
- 森田美千代 著 『マーティン・ルーサー・キング・ジュニア』 (島田由紀)
- 村松 晋 著 『近代日本のキリスト者』 (山口陽一)
編集室から
こんな時だからこそ、外出せずに一人でできる趣味があるといいですね。私は昨年の連休明けに思い立って、英語で書かれた書籍の翻訳を始めました。翻訳の経験といったら所属教会の説教通訳くらいのものですが、少しずつ訳しています。
趣味としての翻訳は、何といっても元手がかからないのが素敵です。訳したい本を買ってしまえばそれ以上費用はかかりません。二、三行の文章を訳すのに小一時間かかるのもざらですから時間はいくらでも潰れます。勝負事ではないので負けてカリカリすることもない。そして少しずつでも進んでいるのが目に見えます。配偶者曰く「プロ野球を見に行って、食べて飲んで負けてがっかりして帰ってくるよりずっといいんじゃない」。ごもっともです。
疲れていようが酔っていようが、とにかく一日に一度は原書に目を通し、できれば一行でも二行でも訳す。こうすることで、どんな一日も全くの無駄ではなかったと思えます。また、翻訳に集中している時には他のことを忘れられます。世の中のことをあれこれ思い悩んでくたびれるよりも、精神衛生上よさそうです。
しばらく会っていない健康麻雀の仲間が、こんなことを言っていました。「人間には三つの場所が必要だ。行くところ、帰るところ、そして、寄るところ」。「寄るところ」は日常生活を離れられる行いだと考えれば、自室でやっている翻訳も寄るところに入りそうです。さまざまな制約をくぐり抜けて、楽しい「寄るところ」を見つけたいものです。とりあえず、読書なんていかがでしょう? (白田)
書き手
キリスト教文書センター
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