【本のひろば】 2021年7月号

『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2021年7月号

編集室から

 こんな時だからこそ、外出せずに一人でできる趣味があるといいですね。私は昨年の連休明けに思い立って、英語で書かれた書籍の翻訳を始めました。翻訳の経験といったら所属教会の説教通訳くらいのものですが、少しずつ訳しています。

 趣味としての翻訳は、何といっても元手がかからないのが素敵です。訳したい本を買ってしまえばそれ以上費用はかかりません。二、三行の文章を訳すのに小一時間かかるのもざらですから時間はいくらでも潰れます。勝負事ではないので負けてカリカリすることもない。そして少しずつでも進んでいるのが目に見えます。配偶者曰く「プロ野球を見に行って、食べて飲んで負けてがっかりして帰ってくるよりずっといいんじゃない」。ごもっともです。

 疲れていようが酔っていようが、とにかく一日に一度は原書に目を通し、できれば一行でも二行でも訳す。こうすることで、どんな一日も全くの無駄ではなかったと思えます。また、翻訳に集中している時には他のことを忘れられます。世の中のことをあれこれ思い悩んでくたびれるよりも、精神衛生上よさそうです。

 しばらく会っていない健康麻雀の仲間が、こんなことを言っていました。「人間には三つの場所が必要だ。行くところ、帰るところ、そして、寄るところ」。「寄るところ」は日常生活を離れられる行いだと考えれば、自室でやっている翻訳も寄るところに入りそうです。さまざまな制約をくぐり抜けて、楽しい「寄るところ」を見つけたいものです。とりあえず、読書なんていかがでしょう? (白田)

書き手
キリスト教文書センター

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