インマヌエルの恵みを豊かに提示
〈評者〉横田法路
朴清民先生の新著を一読させていただき、驚きました。まだ若い先生ですが、長年牧会してきた牧師のような霊的気づきの深さと豊かさを、流れるような美しい文章のなかで分かち合ってくださったことに感動を覚えています。たくさんの頁に線を引き、書き込みをしながら読み、そのいくつかは自らの説教の中でも分かち合わせていただきました。以下では、特に心に残ったところを記させていただきます。
第一に、キリスト者のこの地上での人生は、主イエスのみこころに従う旅であるということです。具体的には、「キリストのように生きて、キリストのように死んでいく旅路であり、またキリストの心を心としてキリストにならう生き方を形作って、実を結んでいく旅路」(ハワワース、ウイリモン)です。
第二に、その信仰者の旅は、決して一人の孤独な旅ではなく、主イエスと共に歩む旅です。この神が共におられるというインマヌエルの恵みこそが、キリスト者の最高の恵みであると、ジョン・ウエスレーの臨終の時の言葉を紹介しつつ、宣言します。
「もっとも素晴らしいことは、神様が私たちと共にいることです(The best of all is God is with us.)。」
第三に、そのインマヌエルの恵みを実際に体験するには、日常生活の中で、「主が共におられることを意識する」ことの大切さ、その訓練の必要性が強調されています。単なる知的理解にとどまらず、生活の様々な場面で共におられる主をどれだけ意識できるかが、クリスチャン生活の祝福の鍵なのです。このような臨在の主を意識する歩みが身についてくるとき、私たちは、様々な誘惑に打ち勝ち、不安や緊張が和らぎ、喜びへと変えられていくのです。
第四に、この主イエスとともに歩む旅は、同時に、教会共同体としての歩みでもあります。主イエスが共にいてくださるインマヌエルの恵みは、キリストのからだである教会を通して具体的に経験され、また豊かにされていくのです。その教会を健全に建て上げていくために、神学的教理的学びも大切であるし、日々の教会での他の人との具体的な関わりの大切さについても、丁寧に語られています。牧師と信徒による共同牧会、自己中心との戦い、とりなしの祈り、日常生活の分かち合い、食事を共にすることなど。
わたし自身牧会20年以上が経過する中で気づかされてきたことを、本書は見事に言葉化してくれていて、何度も頷きながら読んだことであります。
それにしても朴先生はこのような知恵をどこから得たのでしょうか? それはこの書のテーマでもあるインマヌエルの恵み、すなわち、朴先生自身が主イエスとともに歩み続けていくなかで、主からいただいた知恵なのです。生活や伝道・牧会の中で起きてくる様々な問題、葛藤、不安、弱さ、失敗を隠すことなく、正直に打ち明けます。しかし、それらから目を背けるのではなく、まさにそのところに共におられる主を見上げるのです。その時々に、主が教えてくださった悟りの集積が本書なのです。
主の教会を愛する牧師も信徒も、この本を通して大きな恵みを受けることでしょう。心から推薦いたします。













