『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2022年8月号
出会い・本・人
空洞を露に(小﨑眞)
特集
「パレスチナ問題」に取り組むための▼この三冊! (有住航)
エッセイ
『小川修パウロ書簡講義録』全十巻の刊行を終えて (立山忠浩)
本・批評と紹介
- 『二羽の小鳥』中山直子 著 (水島祥子)
- 『モーセの仰ぎ見るテムナーとは何か』長谷川忠幸 著 (大坂太郎)
- 『タムソン書簡集』中島耕二 編/日本基督教団新栄教会タムソン書簡集編集委員会 訳 (山ノ下恭二)
- 『金子みすゞの苦悩とスピリチュアリティ』窪寺俊之 著 (河原清志)
- 『北東アジア・市民社会・キリスト教からみた「平和」』富坂キリスト教センター 編 (飛田雄一)
- 『吉野作造と海老名彈正』關岡一成 著 (本井康博)
- 『内村鑑三先生の足跡』斎藤宗次郎 編著/児玉実英、岩野祐介 編 (赤江達也)
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編集室から
前回、本欄を執筆した際に、故・飯清氏の説教集を読んでいるということを書いた。すると、なんと読者ひとりが、同氏の小説教集『飼葉おけと十字架』(日本基督教団出版局)をプレゼントしてくださった。もちろん今は絶版の超貴重本。おかげでどれだけ今年のレントが恵まれたことか。この場所をお借りして改めて御礼申し上げます。
さて、説教を読んだり、聞いたりするのにハマってしばらくたつ。「Youtubeで説教を聞くのにハマってるんだ。いい説教あったら教えてよ」と言いふらしていたら、先日、友人から「この牧師のメッセージわかりやすくていいよ」と勧められ、ある教会のYoutubeを覗いてみた。スクリーンにスライドを映し出し、明快に聖書箇所の背景やメッセージを解説する。そして、「この箇所から私たちが学べることは三つあります!」と。うん。そうか。うん。そうですよね……。グッドボタンを押して、そっとアプリを閉じた。
以前どこかのキリスト教雑誌でこんな文書を読んだ記憶がある。「『教える説教』、これは日本の教会の大半を占めている説教スタイルだ」。筆者もずいぶんとこのスタイルの説教に養われてきた。だが、今ではちょっと物足りないのはどうしてか。たしか雑誌の筆者は、明治期以来の伝道者たちの説教を集めたシリーズ『日本の説教』(日本キリスト教団出版局)を挙げて、この説教者たちの大部分は、教える説教とは異なるスタイルを用いていると書いていた。
よし、次はこれにしよう。絶版。いや、オンデマンド版がある……。うーん、なかなかいいお値段。(桑島)
予 告
本のひろば 2022年9月号
(巻頭エッセイ)ネルソン橋本ジョシュア諒、(書評)G・タイセン著『新約聖書のポリフォニー』、大島力著『自由と解放のメッセージ』、岩城聰著『今さら聞けない!?キリスト教─聖公会の歴史と教理編』、奥田智志文・黒田征太郎絵『すべては神様が創られた』他