『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2022年3月号
出会い・本・人
事典という知の宝庫(山野貴彦)
特集
悔い改めを学ぶには▼この三冊! (小泉 健)
本・批評と紹介
- 『三浦綾子 祈りのことば』三浦綾子 文/おちあいまちこ 写真/林あまり 解説 (森下辰衛)
- 『N・T・ライト新約聖書講解1 すべての人のためのマタイ福音書1 1-15章』N・T・ライト 著/大宮 謙 訳 (大島 力)
- 『神を追いこさない』柳田敏洋 著 (市原信太郎)
- 『ヴェーバーとフランクリン』梅津順一 著 (小檜山ルイ)
- 『教会政治の神学』吉岡契典 著 (澤 正幸)
- 『キリスト教思想史の諸時代Ⅳ』金子晴勇 著 (濱 和弘)
- 『海のかなたに行き着こうとも、そこに』吉田裕子 著 (辻 哲子)
- 『書き遺す神学へのメモ【増補版】』渡辺英俊 著/大倉一郎 編 (佐藤幹雄)
- 『ボクたちは軍国少年だった!』深田未来生、木村利人 著 (後宮敬爾)
本の紹介
- 『共に生きるスピリチュアルケア』瀧口俊子、大村哲夫、和田 信 編著 (柏木哲夫)
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編集室から
編集委員として、本欄を書く中で何度か、筆者宛てにお便りをいただいたことがある。「よかったので、冊子に引用させてほしい」という光栄なお申し出や、感想と一緒に、ご自身が編まれた人物事典を送ってくださった方もいらっしゃる。お一人でまとめられたということに、頭が下がる思いになった。ここからが筆者の悪いところだが、いずれも、お返事をなかなか書けずにいる。ここにお詫びと、改めて御礼を申し上げたい。
さて、最近『語りかけ給う神』(飯清著/ヨルダン社)という四十年以上も前に編まれた説教集を読んでいる。「説教集は声に出して読むといい」と聞いたこともあり、マスクの中で口を動かしながら味わっている。舞台となった教会へ就任後、初の説教から収録してあるのだが、最初から忖度のない強気な説教に、読んでいる間中、筆者の頭には雷鳴がBGMのように響いていた。というのも、説教ににじみ出る説教者の厳しさ、鋭さに圧倒され、人間的な憧れすら抱いている自分がいたからだ。説教集とは御言葉を楽しみ味わうことが第一だが、言葉ににじみ出た説教者の人柄や、人生をも楽しむものだと教えてもらったような体験だ。
今も数多くの説教者がいる中、紡がれた言葉が少しずつ時代に埋もれていってしまうことにふと寂しさをも感じている。今は、多くの教会が説教を文字、録音問わずネットに公開しているような時代だ。読者の中にもこのコロナ禍で「推し」の説教者に出会ったという方はいないだろうか。ぜひ、筆者にもシェアしていただきたい。ちなみに筆者の推しの説教者だが……おっと、誰か来たようだ。 (桑島)