手を携えて、女性の司祭按手30周年へ そしてその先へ
〈評者〉吉谷かおる

大韓聖公会女性司祭按手20周年記念集
私たちの司祭
共に歩き出す女性たちの道
大韓聖公会 全国女性聖職者会著、ドミニカ朴・美賢代表執筆
関澄子訳
四六判・224頁・定価1870円・ヨベル
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このたび、大韓聖公会女性司祭按手20周年記念集『共に歩き出す女性たちの道―私たちの司祭』が関澄子さんの翻訳により日本語で読めるようになったことを、心から喜びたい。多くの方が本書を手に取り、この女性たちの苦難の道のりを共にたどってくださることを願う。現在、日本聖公会沖縄教区司祭として働いておられる代表執筆者の朴美賢司祭は、「司祭に按手されるまでどれほど多くの女性が福音を発見し、自身の道を黙々と歩み、強制された沈黙と差別を破り自分たちの声を出すためにどのように連帯したかを記録することはまさしく心躍るものでした」と語っている。この「私たちの司祭」の物語は、歴史と宣教の主体として生きる「私たちの物語」でもある。
聖公会には、主教、司祭、執事の「三聖職位」があり、按手を受けた聖職と、信徒との間には区別が設けられ、主教制を中心とした組織体制をとっている。大韓聖公会では2001年(日本聖公会では1998年)に女性の司祭按手が実現するまで、司祭職は男性に限られていた。大韓聖公会で聖職への召命を受けた女性たちに、どのような労苦があり、どれほどの涙が流されてきたか、本書によってつぶさに知ることができる。日本と同様に、女性が司祭となったのちの司牧の現場においても、差別と排除を経験し、茨の道を切り開きながら進まなければならなかったことにも痛みをおぼえる。
本書が記す女性の宣教の歴史のはじめには、婦人伝道師の人生と活動が大切に書き留められている。その歴史は、戦争による荒廃から起ち上がった1960年代の女性組織(オモニ会、GFS)の結成、80年代の「若い女性の会」の活動へと続き、90年代には女性たちの連帯から「聖公会女性連合」の働きが生まれた。女性の聖職実現に向けて「聖公会女性連合」は、女性の指導力を開発するため「女性聖書教室」を開設し、政策に女性の視点を反映するため「女性政策協議会」を開催した。その中で大韓聖公会の女性史編纂と女性会館(現女性宣教センター)の建設も提案された。1991年、まずソウル教区に「女性聖職委員会」が設置され、「女性聖職受容案」の検討を経て、2001年、ついに閔炳玉執事(釜山教区)が女性として初めて司祭按手を受けた。それは神学校卒業から22年後のことだった。2004年に司祭按手を受けた柳明姫執事は、1989年に執事試験を受けてから8年間判定を保留されていたという。そういった胸の痛くなる物語もここには含まれている。付録1の論文「聖書は女性聖職に反対しているのか」も、当時の議論を記録するものとして貴重である。
プロテスタント主流派ではかなり前から「女性の按手」が行われているが、今日なお按手を待ち望む教派の女性たち、按手後にも不当な処遇に苦しむ女性たちがいる。女性の按手は、平等な立場で教会の働きに参与するための突破口であり、信徒を含む女性たちが発言力を高め、リーダーシップを発揮していくうえで、今も重要で象徴的な意味を持ち続けている。日本聖公会では2028年、大韓聖公会では2031年に女性の司祭按手30年の感謝の時を迎える。強固な家父長制に抗って自ら生きる道を選び歩くことの困難さを分かち合える韓国の女性たちと、これからも手を携え、希望を胸に進んでいきたい。












