信仰の継承・変えられてゆく日々
〈評者〉鎌野善三

大阪ケズィック・コンベンション60年記念誌
感謝・継承
大阪ケズィック・コンベンション60年記念誌編集委員会編
四六判・184頁・定価1650円・ヨベル
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1966年に始まった大阪ケズィック・コンベンションは、今年、60周年を迎えます。
主の憐れみと教派を越えた宣教協力によって、この日を迎えることができました。5年前に実行委員長の重責を担うことになった者ですが、節目の年を迎え、この記念誌を発行することができたことを、神さまと関西の諸教会の牧師・信徒の方々に心から感謝を申し上げます。
大学卒業の年、牧師であった父親に連れられて箱根小涌園で開催されていたケズィックに初めて出席しました。それから50余年、ケズィックのメッセージは私の霊的な生活を変え続けてくれました。特にあの阪神淡路大震災の年に通訳者の一人とさせていただいてから、語られるみことばは、ダイレクトに私の魂に飛び込んできました。
皆さんに「神のことば」をお伝えするという特権と責任に身震いしました。通訳の奉仕をさせていただいた後、確かに変えられていったと実感するのです。
ケズィックのメッセージは、聖書と聖霊の働きに根差していると確信をもって言うことができます。
聖書の深い解き明かしは、聖霊によって聞く者の魂に届きます。説教者の理性的なみことば理解がその人格を築き、愛の熱情によって語られる中で聖霊がみわざを現してくださるのです。通訳者として講師の信仰を継承し、そのパッションを共有した上で奉仕させていただけたことは、私の宝となっています。
2021年と2022年は、コロナ禍のゆえにオンラインのみで集会をもたざるをえなくなったことは、本当に残念でした。もちろん、その中でも主は大きな恵みを与えてくださいました。しかし、一つの会場で賛美をし、共に祈り、直接に神のことばを聞くなかで、肉眼では見えないキリストが共におられるという「主の臨在の現実」を体験することは難しく思えました。でも2023年と2024年は、共に集うことができたのは、大きな喜びでした。
ケズィックのメッセージは人を変えます。より主イエスに似た者とされるのです。この記念誌を通して、その体験が継承されることを確信しています。