『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2014年12月号
出会い・本・人
若手の新約学者……?(伊藤明生)
本・批評と紹介
- 『人生の意味と神』フランクル他著、新教出版社―(安井猛)
- 『回帰としてのカトリック』藤原治著、教文館―(山岡三治)
- 『古代キリスト教思想の精神』ウィルケン著、教文館―(鈴木浩)
- 『新約聖書の教育思想』山内一郎著、日本キリスト教団出版局―(関田寛雄)
- 『フランクル人生論入門』広岡義之著、新教出版社―(山内一郎)
- 『聖書の平和主義と日本国憲法』原田博充著、キリスト新聞社―(佐野誠)
- 『行き詰まりの先にあるもの』富坂キリスト教センター編、いのちのことば社―(関田寛雄)
- 『歌集 いのちの四季に』吾妻國年著、教文館―(小倉義明)
- 『共に生きる生活 ハンディ版』ボンヘッファー著、新教出版社―(佐々木潤)
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編集室から
10月7日に開催された日本キリスト教書販売株式会社主催のクリスマス見本市に、私の所属団体も発表のスペースを設けさせていただいた。数年かけて企画した書籍や、真夏の暑さと戦いながら制作したクリスマス商品がやっと日の目をみる。
販売店の方や一般来場者の方とふれあう時間は、日本のクリスチャン人口が1%未満と言われる中で、商談には留まらない親近感を感じることもあり、多くの得るものがあったような気がする。足を運んでくださった方へ感謝を申し上げたい。
クリスマスプレゼントの喜びは、おとなになってくると内容よりも、自分のために時間を労してくれたことの感激へと変化してくる。
星新一のショートショート『ある夜の物語』で、サンタクロースから望みのプレゼントをもらう権利が、人から人へ譲り渡されていくうちに、クリスマスが終わってしまうというお話がある。プレゼントは宙に浮いたまま行き先を失ってしまったけれど、皆、自分が他人から覚えられている存在であることを知って心が暖められ、安堵の眠りにつくというのがオチ。
クリスマスを全然分かっていないが、結末はナイスユーモア。
仕事を依頼している方が以前に、仏教系出版社の仕事も引き受けているとのことで、その出版社が企画のクリスマス会に参加することを話してくれたことがある。
その時は「仏教徒の人もクリスマスは無視できないのか!?」と驚いた。さらに「クリスマスは宗教の垣根を越える力がある。すごい!」とも思った。ジョン・レノンが『Happy Christmas』の歌に込めたメッセージ、「君が望めば、戦争は終わる。」もより現実感が増してくる。
神さまからのプレゼントは全員がもらえる資格をもっている。
私たちの準備したプレゼントも、神さまの力によって多くの壁を乗り越え、巡り届けられたなら、優しい光がそこにあると思った。 (吉崎)