【本のひろば】 2023年5月号

『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2023年5月号

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「ドン・ボスコ」と「ウェスレー」=交わる出会い(林牧人)

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編集室から

 中高生の頃、毎日のように友人たちと本の貸し借りをしていた。いろんな本を読みたい(なるべく安く)、好きな本は読んでほしい、という衝動から始まったことだが、同時に友人とのコミュニケーションの手段にもなっていた。単に会話の話題が増えるだけでなく、お互いの内面を深く知る機会だったように思う。借りた本を読んでいると、貸してくれた相手の好みやものの考え方を感じられる気がしたし、その印象は日常の中で見ているその人と合っていたり逆に意外だったりした。これは自分の趣味ではないと思う本も時にはあったものの、本を通して人と理解し合う大切な経験ができた。
 新卒でキリスト教出版社に就職した当初は、本を「売るもの」として見ることに戸惑い、読者のニーズに合わせて本作りを考える視点になかなか馴染めなかった。三年経った今、視点が違うだけで見ているのは同じ本だと、やっと納得してきている。この本を読んだ人がどう感じるか、その感情や情報を必要とするのはどんな人かと問うことは、友人の好きな本の中に友人自身を見た体験の裏返しにも思える。本の編集と販売の現場に立つ中で、こうやって考えて作られた本を自分や友人たちはそれぞれ選んで受け取っていたのだな、と振り返って気づかされたのだ。
 今年から『本のひろば』誌担当になりました。キリスト教界と出版界に限らず、社会全体の先行きが見通せない時代ではありますが、だからこそキリスト教書の持つ意味は大きいと思います。本と読者を繫げる大事な場所である書評をお届けするため、精一杯頑張ります。(豊田)

予 告

本のひろば 2023年6月号

(書評)J・L・バレット著『なぜ子どもは神を信じるのか』、オリゲネス著『キリスト教教父著作集第10巻ケルソス駁論Ⅲ』、H・W・ホーランダル著『コリント人への第一の手紙Ⅱ・Ⅲ』、本城仰太著『使徒信条の歴史』、増田琴著『マルコ福音書を読もう』他

書き手
キリスト教文書センター

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