『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2021年12月号
- 出会い・本・人 子どもたちへの言葉の力強さ 笹森田鶴
- 特集 クリスマスを味わうなら この三冊! 水野隆一
- 本・批評と紹介
- 並木浩一 著 『ヨブ記注解』 (及川 信)
- 舩戸良隆 著 『我が国籍は天に在り』 (小友聡)
- 長谷川修一 著 『遺跡が語る聖書の世界』 (山野貴彦)
- 原田浩司 著 『〈スコットランド信仰告白〉による信仰入門』 (伊勢田奈緒)
- ソーニャ・M・スチュワート 著/左近深恵子、西堀和子、 ブラウネルのぞみ 訳 『イエスさまについて行こう』 (小泉健)
- 関野和寛 著 『天国なんてどこにもないよ』 (伊藤 悟)
- 加藤常昭 著 『加藤常昭説教全集37 旧約聖書・福音書の説教』 (鷹澤匠)
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編集室から
先月号のこの欄でもお知らせしたとおり、装丁家の桂川潤さんが七月に急逝されました。文字通り、今でも信じられない思いがします。 装丁家はそれぞれ独自の仕事スタイルを持っています。原稿(ゲラ)に目を通す人もいれば、通さない人もいます。いくつも装丁案を用意する人もいれば、一つだけという人もいます。
桂川さんは「読んでいいならゲラを送ってください」と言われる方でした。読んでから装丁を考えてくださる装丁家に信頼を寄せるのは、編集者としては人情というものでしょう。もっとも、ご本人は「人それぞれのスタイルがあるので、読んだからといって装丁案がいいとは限りませんよ」とにこにこしながら言われるのでした。
そして、丁寧に考え抜かれた装丁案を一つだけ、用意されました。いただいた案に編集者が気楽に「ここはこうしたら……」とでも言おうものなら、なぜその部分がそうでなければならないのか、変えてしまったら全体の印象がどう変わるのかを理路整然と説明され、こちらは降参するよりなくなってしまうのです。
とはいえ、版元の事情というものをよく理解し、こちらのお願いを丁寧に汲んでくださる優しさと柔軟性をお持ちでした。自分の仕事に対する誇りと謙虚さは「職人」ということばがぴったりの方でした。
もうお仕事をお願いできないのが残念でなりません。そして、何回かだけでも一緒に仕事ができたことを、深く感謝しています。いつか感謝の会を開きたいと願いつつ、今日も新刊のゲラを読んでいます。 (白田)
予告 本のひろば2022 年1 月号
本・批評と紹介
(巻頭エッセイ)大石周平、(書評)関野和弘著『ひとりで死なせはしない』、ジャック・エリュール著『アナキズムとキリスト教』、ジョン・ポール・レデラック著『敵対から共生へ』、河野勇一著『人はどこから来て、どこへ行くのか?』、松谷好明訳『三訂版 ウェストミンスター信仰規準』、ストーミー・オマーティアン著『ひと時の黙想 全き心を求めて』他