『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。2025年4月号
出会い・本・人
本と私、父、そして息子(高瀬一使徒)
特集 シリーズこの三冊!
子どもと祈るなら、この三冊!(小林よう子)
本・批評と紹介
- 『悲しみの向こう』片柳弘史 著(横田南嶺)
- 『新しい人間』シュペーナー著/山下和也訳(齋藤 篤)
- 『時が満ちて』大頭眞一著(宮崎 誉)
- 『感謝・継承』大阪ケズィック・コンベンション60年記念誌編集委員会編(鎌野善三)
- 『私たちのゲツセマネ』相賀昇著(本多峰子)
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編集室から
身近からどんどん紙が少なくなってきています。公共料金などの請求書や諸手続きは、今やほとんどがネットで行われる昨今。わたしなどは、かえって面倒だなと思ってしまいます。でも、ネットならスマホのデータ通信や電気、ガスの使用量の推移をグラフで見ることができたりするので、自分の使用状況が可視化される便利さを少しは実感しています。
それでも、紙媒体が電子書籍に押されている現実には単に好き嫌いだけではなく、危機感を覚えます。分野によっては違いがあるのでしょうが、電子書籍には省スペースだけでなく検索機能や書き込みが繰り返しできることなど、利便性もあることは認めます。
一方で、学習効果はどうなのだろうかという疑問があります。以前、ある国際ジャーナリストが英語の上達を伝授する本を編集担当したことがあります。それによると、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能うち最重要なのは「書く」ことだそうです。一番インプットする力に優れているからで、インプットなしにはアウトプットもできません、という説明に納得したのを覚えています。
それと共鳴するかどうかわかりませんが、ある大学教授は紙の良さを見直そうと、科学的観点から紙メディアの研究をしているそうです。それによると、読みの効率はデジタルより紙のほうが高いとか。このことを知って、とてもうれしくなりました。とはいえ、その教授は双方の使い分けが大切だと主張しておられ、わたしも同感している次第です。 (市川)
予 告
本のひろば 2025年5月号
(巻頭エッセイ)「生きているということには不安があるんだ」平林孝裕
(特集)「ボンヘッファーを知るならこの三冊!」小海基
(書評)石丸昌彦著『不安と孤独の処方箋』、A・E・マクグラス著『キリスト教の信じ方・伝え
方』他