『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2016年2月号
出会い・本・人
学びと招き(市原信太郎)
本・批評と紹介
- 『ルターのりんごの木』
M.シュレーマン著、教文館―(宮田光雄) - 『はじめての宗教改革』
G.S.サンシャイン著、教文館―(吉田隆) - 『一笑懸命』
山北宣久著、日本キリスト教団出版局―(大川従道) - 『あなたらしく生きる』
山内英子著、日本キリスト教団出版局―(沢知恵) - 『キリスト教教育と私 中篇』
塩野和夫著、教文館―(伊原幹治) - 『十字架の七つの言葉』
西谷幸介著、ヨベル―(深井智朗) - 『W.R.ランバスの使命と関西学院の鉱脈』
神田健次著、関西学院大学出版会―(原誠) - 『動物よもやま話』
堀内昭ほか著、聖公会出版―(吉松英美) - 『プロテスタントからカトリックへ橋をかける説教』
マルク・リエンナール著、ヨベル―(久米あつみ) - 『すてたもんじゃない』
越川弘英著、キリスト新聞社―(栗原宏介) - 『語り継ぐ信仰』
東海林昭雄編、キリスト新聞社―(米田昭三郎)
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編集室から
2015年7月にアマゾンが書籍の内容を音声で聴くオーディオブックの配信サービス「audible(オーディブル)」を日本で始めた。米国など世界的に普及しているオーディオブックは、海外では書籍市場の約10%になっていて、米国では、グラミー賞にオーディオブック部門があるほど認知されている。アマゾンのサービスはスマートフォンで専用アプリをインストールすれば利用が可能。小説、ビジネス書、語学学習、ライトノベル、落語など幅広いジャンルで日本語コンテンツを数千タイトルそろえている。また、朗読スピードは0.5倍から3倍まで6段階で調節が可能。初月は無料で、2カ月目以降は月額1500円での音声コンテンツが聴き放題の定額制サービス。機能として、章を飛ばして聴いたり、聴き直すためブックマークにメモをつけて保存することができる。
アマゾンより先に国内でのオーディオブック配信サービスを行っている「FeBe(フィービィー)」は一万三千点のラインナップを揃え、現在国内最大のコンテンツ数を誇る。芥川賞を初めとする文芸作品も含まれている。声のプロである声優やナレーターが音声を吹き込んでいて、物によっては効果音が入っている。オーディオブックの価格帯は、一般の紙の書籍と同程度。同社のサイトではサンプル音源がついているので、耳での立ち読みもできる。
オーディオブックはビジネスパーソンが主たる利用者となっていて、通勤時間中にスマートフォンでの「ながら聞き」でビジネス書を耳で勉強する目的が多いとのこと。ジョギングや料理中にも本を聴けることを考えると利用者層は広まるかもしれない。電子書籍がなかなか普及しない中、パソコンやタブレットでは目が疲れてしまったり、小さい文字を読むのが苦痛の高齢者、子供への絵本の読み聞かせといった読書にまつわる状況を想定すると、オーディオブックは新感覚の読書体験を期待させてくれる。複数人で同じ書籍を同時に楽しむことができ、「試聴会」なるものができるかもしれない。 (友川)