『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2016年9月号
出会い・本・人
修復的贖罪論の可能性を探る(河野克也)
本・批評と紹介
- 『信仰とは何か?』
齋藤孝志著、ヨベル―(小林重昭) - 『信じることをためらっている人へ』
岡野昌雄著、新教出版社―(片柳榮一) - 『エレメンツ 増補改訂版』
ジェレミー・ダフ著、新教出版社―(ランドル・ショート) - 『キリスト教は女性をどう見てきたか』
H.キュンク著、教文館―(笹森田鶴) - 『がん哲学外来で処方箋を』
樋野興夫編著、日本キリスト教団出版局―(榊原寛) - 『アレテイア ヘブライ人への手紙』
日本キリスト教団出版局編―(宮崎誉) - 『中世における制度と知』
上智大学中世思想研究所編、知泉書館―(桑原直己) - 『ヨハネス・ア・ラスコ』
バージル・ホール著、一麦出版社―(南純) - 『ふたりのエアリエル』
ノエル・ストレトフィールド著、教文館―(さくまゆみこ) - 『救済史と終末論』
近藤勝彦著、教文館―(牧田吉和)
- 本屋さんが選んだお勧め本
- 近刊情報
- 書店案内
編集室から
五月末、大阪出張の帰りにオープンしたばかりの商業施設、「枚方T-SITE」に立ち寄ってみた。ここは書店を中心とした百貨店(?)なのだそうである。コンセプトは、「上質な日常を届けるライフスタイル・デパートメント」。「エッー大阪で? しかも枚方市ってかなり遠いのに」と、大阪の方からお叱りを受けそうな予想を持って到着したら驚いた。
駅に直結した総ガラス張りの近未来的建築、店舗というよりはスタイリッシュな空間、洗練されたデザインの書棚に、「食の読物」といった気の効いたタイトルで本が配列されている。これが単純に「食品」コーナーだったら普通なのだが、「やるな大阪、今日のところは負けを認めよう」と呟いた。同店は代官山、湘南に次ぐ三店舗目だが、枚方市は創業の地と聞く。
米国の書店「バーンズ&ノーブル」は、知の香りがするらしいが、ここは自分のライフスタイルにこだわる人たちを惹きつける新時代の匂いがする。ホール内のコーヒーショップで本を読み、パソコンを打つ。また書店なのにベビーカーを押す若いカップルが多かったのが特に印象的だった。何より書棚のレイアウトに、昔の本屋さんの「店員オススメ」的な、知られざる本の素晴らしさを伝えようとする意欲を感じて嬉しかった。
それは私たちキリスト教専門書店にもある。本誌24-25頁に掲載されている「本屋さんが選んだお勧めの本」コーナーをぜひ読んでいただきたいと思う。 (寺田)
1頁下段12行目「メノナイト派を火刑に処したオランダ改革派」を「セルヴェトゥスを火刑に処したカルヴァン」に訂正します。