『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2019年3月号
- 出会い・本・人 「精神的な自由」をもつ者とは (エッセイ:小嶋リベカ)
- 特別企画 『手塚治虫の旧約聖書ものがたり―DVD9枚組』
教文館―(髙橋優子/北博) - 本・批評と紹介
- 『平和とは何か』
W・ブルッゲマン著、教文館―(志村真) - 『VTJ旧約聖書注解 出エジプト記19‐40章』
鈴木佳秀著、日本キリスト教団出版局―(下田尾治郎) - 『しかし勇気を出しなさい』
カール・バルト著、日本キリスト教団出版局―(平林孝裕) - 『アメリカ現代神学の航海図』
栗林輝夫著、新教出版社―(芦名定道) - 『きりしたん受容史』
東馬場郁生著、教文館―(長谷川(間瀬)恵美) - 『あまつましみづ』
永田圭介著、教文館―(湊晶子) - 『聖書における背きと回帰』
日本キリスト教詩人会編、教文館―(本多寿) - 『老いて聖書に聴く』
渡辺正男著、キリスト新聞社―(久世そらち) - 『「ロマ書」の人間学』
葛生栄二郎著、キリスト新聞社―(﨑川修) - 『蛇のようにさとく鳩のように素直に』
広瀬惠一郎著、ヨベル―(月岡伊佐) - 『輝く明けの明星』
平野克己編、日本キリスト教団出版局―(瀬谷寛)
- 『平和とは何か』
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編集室から
数年程前から一般市場でもイースター商品の陳列が目立つようになってきた。黄色、緑色を基調とした春らしい色合いに気持ちも晴れやかになるのを感じる。
同時になんでも取り入れる節操のなさと、商業目的に利用する貪欲さに戸惑う気持ちも湧いてくる。
以前スーパーの卵売り場で、不要となったチラシの裏のような紙に「今年のイースターは◯月◯日」と書いて貼ってあるのを目にしたことがある。その時は、自分の大切にしているものをぞんざいに扱われたような気がして、嫌な気持ちがしたが、後に『レ・ミゼラブル』の冒頭の物語を思い出して反省した。
それは、主人公ジャン・ヴァルジャンがミリエル司祭の銀食器を盗んだ場面。家族から不審人物を受け入れたことを責められるなか司祭は応える。
「私は間違って、長い間あの銀食器を自分のものにしていたが、あれは貧しい人たちのものなのだ」
本編に入る前の序章のような物語だが、とても心に残っている。読んだ直後は、自分とは別人種の正しい人のお話と思っていたが、いつの間にか生活のさまざまな場所で、本質に立ち返る機会を与えてくれる寓意となっていた。
イースターが注目されるようになってから、テレビ番組でも取り上げられているのを見たことがある。イースターが卵を食べる日ではないこと。キリストの復活を祝う日であること。なぜ卵なのか。短かったけどしっかり解説してくれていた。また別の機会では、卵産業もイースターを応援してくれているらしいことを知った。
今年もイースターを祝ってくれる人が、さらに増えると嬉しいと思う。(吉崎)