『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2019年9月号
- 出会い・本・人 身勝手ですが、これでもだいじょうぶ (エッセイ:森言一郎)
- 特集 特集 グリーフケアを学ぶならこの三冊! 藤掛明
- 本・批評と紹介
- 『評伝 矢内原忠雄』
関口安義著、新教出版社―(川中子義勝) - 『歴史から見たキリスト教信仰』
内坂晃著、キリスト新聞社―(犬養光博) - 『海老名彈正関係資料』
關岡一成著、教文館―(土屋博政) - 『コンパクト聖書注解 出エジプト記Ⅰ』
C.ホウトマン著、教文館―(三好明) - 『聖書の植物よもやま話』
堀内昭著 、教文館―(渡辺憲司) - 『ただ一つの慰め』
吉田隆著、教文館―( 本城仰太) - 『協力と抵抗の内面史』
富坂キリスト教センター編 、新教出版社―( 山口陽一) - 『夜と霧の明け渡る日に』
V.E.フランクル著、新教出版社―(入江杏)
- 『評伝 矢内原忠雄』
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編集室から
教会学校の子どもたちが「なんじゃもんじゃゲーム」に盛り上がっていた。ルールはいたって簡単で、順番にカードをめくり、表にイラストされている謎の生物に名前を付ける。それを全員で共有し、同じ
カードが出てきたら、その名前をいち早く叫んだ者が勝というゲームである。傍から見ていると、このゲームで盛り上がるのは、記憶力の勝負より、謎の生物に名前をつけることにあると気づいた。子どもには、瞬時に特徴を捉える感性と、端的に表現する直截さがある。それが面白い。
私も参加させてもらい、カードをめくると落花生の形をした奇妙な生物が描かれていた。間髪を入れず「ソントン・ザ・ピーナッツ」と名付けた。もちろんソントンとは、日本にピーナッツバターの製法を伝えたジェシー・ソーントン宣教師(1875―1958)のことである。社名としての「ソントン」は残っているので、牧師にはウケけたが、誰も笑ってくれなかった。
でも、私はめげない。「なんじゃもんじゃゲーム」に正解はないのだ。もともと架空の生物なのだから、どう名付けようと自由である。ゲームやクイズには正解がある。しかし、このゲームには正解がない。すべてが正解となる。誰が何と言おうと、クリスチャンにとって、落花生といえばソントンなのだ。(寺田)