『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2018年12月号
出会い・本・人
山谷からの眼差し(エッセイ:菊地譲)
本・批評と紹介
- 『聖書翻訳者ブーバー』
堀川敏寛著、新教出版社―(田島卓) - 『教えてパスターズ』
朝岡勝/大嶋重德著、キリスト新聞社―(増田将平) - 『エレミヤ書を読もう』
左近豊著、日本キリスト教団出版局―(朝岡勝) - 『うつくしいもの』
八木重吉詩、日本キリスト教団出版局―(沢知恵) - 『今さら聞けない!? キリスト教』
黒田裕著、教文館―(吉田雅人) - 『子どもの賛美歌ものがたり』
大塚野百合著、教文館―(塚本潤一) - 『ルターはヒトラーの先駆者だったか』
宮田光雄著、新教出版社―(佐藤司郎) - 『わたしはよろこんで歳をとりたい』
イェルク・ツィンク著、こぐま社―(大澤秀夫) - 『暴力と人間』
工藤信夫著、ヨベル―(坪井節子) - 『契約があらわすキリスト』
O.P・ロバートソン著、ヨベル―(水草修治) - 『巡礼歌』
牧野信成著、一麦出版社―(大石周平)
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編集室から
積読 Tsundoku
「(『つんでおく』とドク(読)とをかけた洒落)書物を読まずに積んでおくこと」(広辞苑第7版)
先日この「積読」という言葉が、世界共通用語になりつつあるというニュースを目にした。この言葉、遅くとも明治期には愛書家の間では使われていたそうで、英語には蔵書癖、書籍狂を指すBibliomania”以外、近い言葉がないそうだ。コレクションを作る目的で本を集めるのが“Bibliomania” 読む時間が無く気づいたらコレクションを作ってしまっていたのがTsundoku”だとか。ある牧師が、「すぐには読まなくても、持っておかなくてはいけない本がある」という話をしていた。こうした牧師たちの積読文化にわれわれキリスト教出版業界も支えられているのかもしれない。今後とも何卒……!
ちょうど今、積読状態になっている本の一つが、装丁家「桂川潤」さんの『装丁、あれこれ』(彩流社)だ。キリスト教書も数多く手がけてくださっているあの方の本。これは読まねばと買ったものの本棚に挿したまま……Oh! Tsundoku!!
装丁で思い出した。そろそろ発表していい頃だろか。今年最後の十二月号を終えると、本誌『本のひろば』の表紙には〝お色直し〟をしてもらう予定だ。装丁のリニューアルを皮切りに、レイアウトや連載なども刷新を考えている。デジタル化が進む社会にあっても、かわいがっていただけるアナログ媒体へと育てていけるよう、編集も精進したい。
もしかすると現在のデザインを気に入ってくださっている方の中は、抵抗のある方もおられるかもしれないが、かわいかった子どもが、素敵な大人になっていくと思って、これからもかわいがっていただきたい。くれぐれも『本のひろば』と分からず見逃してしまわないように。では、乞うご期待。(桑島)