『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
本購入の参考としてください。
2016年10月号
出会い・本・人
絵本との出会い(鬼形惠子)
本・批評と紹介
- 『天国での再会』
中道基夫著、日本キリスト教団出版局―(石居基夫) - 『立ち上がれ!』
吉岡恵生著、キリスト新聞社―(越川弘英) - 『あなたはヨブと出会ったか』
今井敬隆著、新教出版社―(賈晶淳) - 『生きるユダヤ教』
勝又悦子他著、教文館―(池田裕) - 『改革派正統主義の神学』
W.J.ファン・アッセルト著、教文館―(芳賀力) - 『世界がぶつかる音がする』
クリスティン・ジャック編、ヨベル―(倉沢正則) - 『聖書の中の祈り』
大島力著、日本キリスト教団出版局―(願念望) - 『人権思想とキリスト教』
森島豊著、教文館―(近藤勝彦) - 『約束の言葉への信仰』
喜田川信著、教文館―(坂本誠) - 『大崎節郎著作集 第5巻』
大崎節郎著、一麦出版社―(稲山聖修) - 『日本キリスト改革派教会宣言集』
日本キリスト改革派教会編、一麦出版社―(松田真二) - 『欧米留学の原風景』
安酸敏眞著、知泉書館―(村松晋)
- キリスト教本屋大賞2016
- 本屋さんが選んだお勧め本
- 既刊案内
- 書店案内
編集室から
本年、キリスト教出版社であった「聖公会出版」が廃業した。ここ二十年くらいの間にルーテル系の「聖文舎」やバプテスト系の「ヨルダン社」等の出版社が相次いで廃業していったが、困惑は続くばかりだ。出版界全体が縮小傾向なのに加え、硬派の人文科学書はさらに売れなくなっている。通勤途中の電車の中で目にする新刊の広告は、簡単にできる健康法や処世術に関する本が多く、「たちまち○十万部突破!」と威勢がよい。キリスト教出版にもそのような本が出てくればと夢見るのだが、駅に着いた途端、現実に引き戻される。しかし、いつまでも落ち込んではいられない。私たちには、多くの教会と信徒の皆様がついているからだ。
そのことを改めて確認できたのは、願念望牧師が、本誌15頁に書かれた次の一文によってである。「先日、毎月教会に来られるキリスト教書店の方が『先生、いい本が出ました』と紹介されたのが大島先生のこの本です」。
何と嬉しいことだろう。毎月教会を訪問し、キリスト教良書を薦める書店員がいる。そしてそれに応えてくださる牧師がおられる。私たちキリスト教文書伝道事業にかかわる者にとって、この一文は何よりの「喜ばしき音づれ」となった。勇気百倍。新たな望みが湧いてきた。 (寺田)