『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2022年10月号
出会い・本・人
核・原発問題との出会い(久保文彦)
特集
キリスト教と食について考えるなら▼この三冊! (植木献)
本・批評と紹介
- 『羽をやすめるとまり木で』白旗眞生 著 (大澤秀夫)
- 『真理の霊が来るとき』市川喜一 著 (水垣渉)
- 『フランソワ・トレティーニの神論』青木義紀 著 (吉田隆)
- 『旧約聖書における自然・歴史・王権』山我哲雄 著 (小友聡)
- 『夜明けを共に待ちながら』朝岡勝、松谷曄介、森島豊 編 (須藤伊知郎)
- 『改革派教義学4 キリスト論』牧田吉和 著 (朝岡勝)
- 『ヨハネ福音書解釈の根本問題』大貫隆 著 (東よしみ)
- 『えらべ、いのちを』大頭眞一 著 (朝岡勝)
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編集室から
趣味で訳していた本を三月に刊行できました(トーマス・レーマー『ヤバい神』新教出版社)。編集者として書籍の刊行に関わっているものの、いざ自分が著訳者の立場に立ってみると随分景色が違うものです。お医者さんが病気になって病院に行くときはこんな気持ちなのかもしれません。
内容には自信があったものの、だからといって何もせずに売れる時代ではありません。所属教会でしつこいほどに売り込んだり(たくさん買っていただきました)、つてを頼って旧約聖書学者とのトークライブを開催し、動画で配信してもらったりしました(思った以上に手応えあり)。幸いなことに朝日新聞の書評欄で取りあげられたこともあり、初版を売り切って重版がかかりました。
普段とは別の立場で本作りに関わることで改めて気づいたのは、本当に多くの方が協力して書籍はできるということです。訳者としてよく分からないことは詳しい知人や著者にしつこく質問しましたし、編集者にはかなり丁寧に表現をチェックしてもらいました。なかなか返事を寄こさない原著出版社と粘り強く交渉してくれた代理人、印刷・製本会社の方々、取次をはじめ流通に関わる方々、書店員、そして読者。すべて揃って、はじめて書籍は世に出ます。
だからこそ、編集者として関わる書籍すべてに丁寧に関わりたいと思います。内容に関することだけではなく、必要としている読者に届けるためにできる限り努めるのも、編集者として大切な仕事でしょう。目の前の仕事に追われつつも、このことを忘れずにいたいものです。(白田)
予 告
本のひろば 2022年11月号
(巻頭エッセイ)「教会なき人のための聖書─塚本虎二と標準読者」赤江達也、(書評)大庭貴宣著『エイレナイオスの聖霊神学』、村岡崇光著『精選 死海文書』、クニィ・ベルガー著『開かれている門』他