『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。2025年11月号
出会い・本・人
人生の旅の同行者に感謝!(津村春英)
特集 シリーズこの三冊!
本・批評と紹介
- 『聖書の基礎知識』C・ヴェスターマン、F・アーヒウス 著/J・ヴェーネルト 協力/吉田忍 訳(前川裕)
- 『信仰の旅路』小島誠志 著(沢 知恵)
- 『私が出会った人々』大野惠正 著(藤井清邦)
- 『「三要文」講解』小林重昭 著(石田聖実)
- 『ギリシア教父の世界』F・M・ヤング 著/関川泰寛、本城仰太 訳(土井健司)
- 『ゴッホの宇宙』正田倫顕 著(島薗進)
- 『日本キリスト教神学小史』近藤勝彦 著(森島豊)
- 『デシデリウス・エラスムス『自由意志について、評論あるいは比較検討』×マルティン・ルター『奴隷的意志について』エラスムス×ルター 著/竹原創一 訳・解題(木村あすか)
- 『ほんとうの自分に出会うとき』岩本遠億 著(久保木聡)
- 『福音書の隠れた難所』大貫 隆 著(新免貢)
- 近刊情報
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編集室から
読書会に参加した。職場の同僚数人と、同じ一冊の本について感想を話し合う会だ。
今まで書店のイベントで翻訳者や編集者の話を聞いたり、一言感想を述べるような会には参加したことがあったが、読者どうしでしっかり意見交換する形の読書会は、つい気おくれしてしまい遠ざかっていた。今回はもともと知っている人たちが開く会だというので、少し勇気を出して仲間に加えてもらった。
その会は課題の本以外にテーマや縛りはなく、自由に会話する形で進められたが、本を読んでいるときには思いもよらなかった方向へと話が広がっていき、小さな会ながら刺激的だった。「この本のこの部分をあなたはどう感じましたか」、「私はこんなことを考えたけれど、あなたはどうですか」。感想と問いかけを交わす中で、時には本から離れたところで話が盛り上がり、それはそれで楽しい。そうしているうちに誰かが別の本の話題を出し、また話は本に戻る。本の世界は繫がっているとつくづく実感した。
一人で本を読んでいても、その本から他の本へと繫がっていくことはよくある。しかしそれは著者が同じとか設定やテーマが似ているとか、何か共通点を自分なりに見出して選んでいることが多い。他の人から自分の中にはない視点での感想を聞き、会話しているうちに、自分だけでは手に取らなかったであろう本に行きつくことができるのは読書会ならではかもしれない。読書会の良さを知るとともに、昨今のブームにも納得させられた体験だった。
(豊田)
予 告
本のひろば 2025年12月号
本・批評と紹介
(巻頭エッセイ)「父の書棚から」荒井仁
(書評)日本カルヴァン学会編『カルヴァン研究第2号』、小井沼眞樹子著『ただそこに居なさい!』、C・A・エバハルト著『イエスの死の意味』、桜井健吾著『近代世界と宗教』、湊晶子著『あしたは必ず来る』、A・カイパー著『カルヴィニズム』他











