『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2023年9月号
出会い・本・人
あかがね色の本(渡邊さゆり)
特集
シリーズこの三冊!今、遠藤周作を読み直すならこの三冊!(金承哲)
本・批評と紹介
- 『三要文深読 十戒・主の祈り』小泉健、楠原博行、高橋誠、荒瀬牧彦、安井聖、須田拓ほか 著 (三浦陽子)
- 『ユダヤ人も異邦人もなく』山口希生 著 (関野祐二)
- 『第一ペトロ書を読む』石田 学 著 (吉田 新)
- 『ことばの力』関西学院大学キリスト教と文化研究センター 編 (市原信太郎)
- 『コロナ後の教会の可能性』荒瀬牧彦 編(家山華子)
- 『[羅和対訳]イエズス会の規範となる学習体系(一五九九年版)』ロバート・キエサ 訳・注解/髙祖敏明、梶山義夫 翻訳協力 (川村信三)
- 『パラドクサ』ゼバスティアン・フランク 著/福原嘉一郎 訳/安酸敏眞 解説 (金子晴勇)
- 『アシジのフランシスコの生涯』A・トムソン 著/持田鋼一郎 訳 (山北宣久)
- 『キリスト教古代の思想家たち』関川泰寛 著 (安井聖)
- 『義を求める祈り』マルティン・ブーバー 著/稲村秀一 訳著 (北博)
- 『愛の心を育む』 遠藤勝信 著 (湊晶子)
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編集室から
七月号で筆者が編集を担当した「三位一体を学ぶなら この三冊!」についてだが、執筆者の坂井純人先生は、当初六冊を準備してくださった。先生としては、三位一体の学びは奥深く、六冊でも不足と思われたのだと思う。しかし、ご無理を承知で、企画意図を申し上げ再選出をお願いした。先生は四冊まで絞り込んでくださり、一冊を+αとして扱う提案をされ採用となった。
原稿をいただき入稿、校正へと進んでいく日々、ある新聞記事を見つけた。『〈個〉の誕生』(坂口ふみ著/岩波現代文庫)は今年文庫化された話題の書籍。それは先生が、三位一体の学びの五冊目として紹介されていた書籍でもあった。新聞は、ジェンダー問題の視点から書かれていた。
編集者は最初の読者になれる役得を与えられているが、両方を読み並べることができたのは貴重な体験。皆さんに新聞記事は読んでいただけないが、先生の五冊目のお薦めを筆者だけが知るのはもったいなく、この場を借りて文章の一部をご紹介したい。ぜひ、左記をお読みください。(吉崎)
「一見、厳格な神学的議論を形成する動機の中に、三位一体論の中核となるかけがえのない神格における『個』の位格の固有性理解の大切さを見抜き、共通の『本性』を共有する『個』の理解の深まりの内に、神のかたちに象って造られた人間の『個』とは何か、を考えさせる内容となっています。」(「三位一体を学ぶなら この三冊」初案『〈個〉の誕生』紹介文より抜粋/坂井純人)
予 告
本のひろば 2023年10月号
(巻頭エッセイ)上田恵介(書評)齋藤篤・竹迫之著『わたしが「カルト」に?』、山口里子著『マルコ福音書をジックリと読む』、ルイ・ギグリオ著『「敵」に居場所を与えるな』、アドルフ・フォン・ハルナック著『マルキオン』、春名純人著『カルヴァンの救済の神学』、富坂キリスト教センター編『日本におけるキリスト教フェミニスト運動史』、水草修治著『私は山に向かって目を上げる』他