【本のひろば】2014年8月号

『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
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2014年8月号


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出会い・本・人

イエスさまに会いたくて(古本みさ)

本・批評と紹介

  • 『信とは何か』宮本久雄ほか編著、日本キリスト教団出版局―(黒鳥偉作)
  • 『賀川ハルものがたり』鍋谷由美子著、日本キリスト教団出版局―(加山久夫)
  • 『預言者の想像力』W・ブルッゲマン著、日本キリスト教団出版局―(左近豊)
  • 『二十一世紀の礼拝』G.W・レイスロップ著、教文館―(越川弘英)
  • 『改憲問題とキリスト教』稲垣久和著、教文館―(安部圭介)
  • 『魂の同伴者』ケネス・リーチ著、聖公会出版―(窪寺俊之)
  • 『市場倫理とキリスト教倫理』J.J・フラーフラント著、教文館―(久世了)
  • 『洋楽渡来考 再論』皆川達夫著、日本キリスト教団出版局―(樋口隆一)
  • 『私の聖書物語』宮田光雄著、新教出版社―(笠原義久)
  • 『贖罪論とその周辺』近藤勝彦著、教文館―(倉松功)
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編集室から

 街中に、ジャケットを脱いだ白いワイシャツ姿のサラリーマンや、サンダル履きの若い女性を多く見かける季節になった。紫外線が気になる今日このごろである。最近知り合いの男性が、日傘を購入した。誰かへのプレゼントではなく、彼自身が使用するためだ。日傘を使用している人は圧倒的に女性が多いが、最近は男性の日傘ユーザーも増えてきているという。日傘を買ったその彼によれば、炎天下でも直射日光を防ぐだけで、ずいぶん暑さは和らぐのだとか。「なぜ男性が日傘を使ってはいけないのか」と彼は真顔で言う。

 最近のドラッグストアでは、スキンケアなど男性用化粧品の種類も増えてきているし、定期的にフェイシャルエステに通う同い齢のサラリーマンもわたしの周りにはいる。一見ガタイのいい、“爽やか系男子”との会話の内容が〈美白〉や〈保湿〉についてであったりもする。こんなことを書くと抵抗を示す人もいるかもしれないが、慣れとは恐ろしいもので、二度三度と繰り返すうちに、それもまた自然であるように思えてくる。ひと昔前──わたしの親が青年期であった時代──ならば、あり得ない現象であるだろう。

 化粧やファッションなど、外見上の装いというものは、世間で言うところの〈男子/女子はこうあるべし〉という既成概念に最も縛られやすい。かつては、女性のショートヘアは非常に奇抜なスタイルと見なされたこともあったが、今ではまったく普通である。毛髪を染めたり、ピアスをするのも同様だ。近現代の日本では、庶民の服装も短期間に大きく様変わりした。いったい「常識」とは何なのか。

 18世紀のイギリスで、男性として初めて雨傘をさしたジョナス・ハンウェイという人は、通りを行く人々から指をさして笑われたと伝えられている。何が普通か、普通でないか、何が機能的か、不合理か、あるいは何を慣習・文化とみなすのか。私たちは、一時的で主観的な価値観や感覚に縛られているのかもしれない。 (竹下)

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