内坂晃著 講解説教 出エジプト記(犬養光博)

『出エジプト記』を読んでキリストに出会う
〈評者〉犬養光博


講解説教 出エジプト記
内坂晃著
A5判・710頁・定価5280円・キリスト新聞社
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 内坂晃先生の『講解説教 出エジプト記』を読ませていただいた。
 大きな感動と、幾つかの問いかけをいただいた。
 『出エジプト記』四〇章全体を、御自分の教会の説教で語られたのだ。
 準備としては、関根正雄先生の訳、酒枝義旗先生の訳、その他三人の方々の訳を参考にしながら、内坂先生自身の解釈をはっきりと語られる。
 神がモーセを通して何を語られたのか、何をされたのかを。
 その時、現在の聖書の『出エジプト記』は長い歴史の流れの中で、いろんな資料が混ざり合って編集されたものなので、それを解明しなければならない。
 先に挙げた先生方の解釈を検討しながら、現在の聖書の『出エジプト記』を読み解いてゆかなければならない。

 そして、それが現在の自分達にどういう意味を持つのか、と問われる。
 その時の、内坂先生の視点は、今、キリストが我々にどう語られているか、という問いかけだ。
 本当に見事だと思う。
 でも、内坂先生は、絶対に自分の考えを押し付けようとはされない。
 説教の中で必ず出てくる言葉は「皆さんはどう思われますか」という問いかけの言葉だ。
 僕はこの説教集を読ませていただいて、「教会の礼拝とは何か、説教とは何か」ということを何回も問われた。
 この本では、『出エジプト記』は、資料別に整理されたものが読まれている。聖書の『出エジプト記』ではモーセを通して、神が語られるのだが、それを学びながら、教会の説教では、内坂先生がキリストの出来事を語られる。
 キリストの出来事は、教会の中だけで起こることではないので、内坂先生は、多くの方々のキリストとの出会いを、いろんな方々の出来事の記録を紹介しながら語られる。
 その紹介が素晴らしく、キリストがその説教を通して、教会に来られている人や、この本を読まれる人々にも呼びかけてくださるに違いない。
 この本は、そんな出会いをいくつも紹介している。でも、そのキリストに従う、ということは決して生やさしいことではない。いや人間の側からは不可能なことなのだ。そんな人間に対して、キリストが呼びかけてくださっているのだ。

書き手
犬養光博

いぬかい・みつひろ=日本基督教団平戸伝道所協力牧師

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