【本のひろば】2015年6月号

『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。
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2015年6月号


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出会い・本・人

ダンテ『神曲』(住谷 眞)

本・批評と紹介

  • 『カール・バルトの教会論』 佐藤 司郎 著(寺園 喜基)
  • 『マタイ福音書を読もう3』 松本 敏之 著(大村 修文)
  • 『コンパクト聖書注解ホセア書』 
    C.ファン・レーウェン 著/池永 倫明 訳(野木 虔一)
  • 『魂への配慮としての説教』 
    クリスティアン・メラー 著/小泉 健 訳(川﨑 公平)
  • 『キリスト教学校教育史話』 大西 晴樹 著(塩野 和夫)
  • 『バルト神学の真髄』 喜田川 信 著(坂本 誠)
  • 『改革派教義学2 神 論』 牧田 吉和 著(神代 真砂実)
  • 『ヨナのしるし』 土岐 健治 著(荒川 博行)
  • 『聖書はさらに物語る』 大頭 眞一 著(工藤 信夫)
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編集室から

 三月、早稲田のキリスト教会館で開催された日本キリスト教協議会(NCC)教育部主催「神学校新卒者エキュメニズム研修会」に出席した。今春、各教派の神学校を卒業し教会に赴任される新教職者十三名が紹介され盛会となった。午前中の講演が終わり、一同で昼食を取りながら懇親のひと時を持った。その時、一人の老練な牧師が起ち上がり、新教職者に向かって「皆さん、名刺は作りましたか? 人に会ったら名刺と週報渡すのですよ」と語りかけた。不意をつかれてしまった。もちろん名刺にではない。週報にである。教会の週報は最も身近な伝道文書であった。そこには教会のしていることが集約されている。教会自身の名刺といっても過言ではない。文書伝道に携わりながらそのことに気づかなかった自分の不明を恥じた。

 20年位前まで、当キリスト教文書センターに、いくつかの教会から「教会史」が寄贈されていた。その中には、昔のガリ版刷り「教会報」や「週報」が所収されているものもある。読み返してみるとすこぶる面白い。まずガリ版刷りの挿絵がよい。どれも牧師か信徒が描いたもので署名入り、アナログ派としてはたまらない。内容も牧会通信、説教、○月受洗記念会員、CS教師の横顔、家族礼拝のお知らせ、俳句、訪問記など興味が尽きない。何より簡潔で読みやすい、文字も親しみやすい。その中で特に心に残った一文がある。飼い犬を失った牧師の手記である。「時おり過去の週報をひっくり返してみる機会があるが、それは私の書いたものの中から逸し去ることのできないものの一つだろう。読むたびに胸がしめつけられる……情極まって悲しみ深し」。手渡された週報(伝道文書)にこのような記事が載っていたら、教会に行ってみたいと思うのではないだろうか。 (寺田)

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