【本のひろば】 2013年2月号

『本のひろば』は、毎月、キリスト教新刊書の批評と紹介を掲載しております。本購入の参考としてください。
2013年2月号

本・批評と紹介

    • 『キリガイ』有馬平吉編著、新教出版社―(塩谷直也)
    • 『南原繁の生涯』山口周三著、教文館―(加藤 節)
    • 『宣教師と日本人』キリスト教史学会編、教文館―(太田愛人)
    • 『改革派教義学3人間論』市川康則著、一麦出版社―(松田真二)
    • 『神に導かれる人生』松本敏之著、キリスト新聞社―(宮村武夫)
    • 『講解説教 使徒言行録(全3巻)』三好明著、一麦出版社―(市川康則)
    • 『生きがいを感じて生きる』日野原重明著、聖学院大学―(山形謙二)
    • 『東京バプテスト教会のダイナミズム2』渡辺聡著、ヨベル-(岩上敬人)
    • 『ルカ福音書の神学』J.B.グリーン著、新教出版社―(大宮有博)
    • 『洗礼とはなにか』R.ロイエンベルガー著、新教出版社―(野崎卓道)

編集室から

一度読んだ本を再読するのはお好きでしょうか。私は一度読んらそれでいいやと考えることが多く、ほとんど再読しません。そのためにいざという時にどの本にどんなことが書いてあったか分からなくなってあわてることもたびたびですが、それよりも新しい書籍をより多く読むことによって得るもののほうが大きいと考えていました。
しかし最近、ちょっとした必要から以前読んだ預言者についての論文集を読み返して、少し考え方を改めました。
その本は今読んでみても内容・文体ともに難しいもので、キリスト教についてほとんど何の知識のない時によくも挫折せずに読んだものだと思います。それだけ何かを学び取ろうという意欲があったのでしょう。今もどれだけ理解しているか分かりませんが、預言者たちが神の呼びかけをどう受け取り、そして語ったかがあやしいなりに伝わってきました。前回読んだ時よりも、預言者と私が本を通じて結びつく感じがしました。
それと同時に、分からないなりに必死に論文と向かい合った、十数年前の私とも出会いました。当時の私が引いた傍線は、今見ると随分見当違いのところにあることが多いのですが、そのことを通じて自分の変化を感じることができました。通常の読書が書籍との対話だとすれば、再読はそれに過去の自分を加えた会話と言えるでしょう。
年が改まったからとて急に何かが好転するとも思えませんが、新たな書籍との出会い、そして再読を通じて、みなさまの日々が豊かなものとなりますように、そして、小誌が少しでもその助けになりますよう、願ってやみません。 (はくた)

書き手
キリスト教文書センター

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